増える続けるインバウンド関連ベンチャー企業
訪日外国人の人数は年々増えており、2017年には2,800万人を超え、政府は2020年には4,000万人、2030年には6,000万人まで増やすことを目標としています。
人数が増えると同時に、訪日外国人による消費額は2017年には4.4兆円となり、2030年には15兆円となることが見込まれています。明らかに、訪日外国人関連消費は無視できない規模になっております。
そんな中、そこに勝機を見出してたインバウンド関連のベンチャー企業も増えており、現在は、数百社を超えていると思われます。
大手企業とベンチャー企業の提携
群雄割拠の様相を呈するインバウンドベンチャー業界ですが、独創的なサービスや高い技術力を持つ有望なベンチャー企業は大手企業との提携やベンチャーキャピタルからの出資を受けており、それに関連したニュースが多く見受けられます。
ナイトレイ調べによると、2017年に公表されているだけでベンチャー企業と大手企業との提携案件、またはベンチャーキャピタルからの出資案件は34件あります。
また、2018年は1月から4月の4ヶ月間のみで、23件発表されており、昨年のペースを大きく上回っている状況です。
ではなぜ大手企業とベンチャー企業の提携が増えているのでしょうか
大手にはないスピード感・技術力
ベンチャー企業の魅力はなんといっても、大手企業には真似出来ないスピードです。大企業特有の根回しが不要であり、比較的即断即決が可能です。そのため、独創的な発想で様々な領域に挑戦できる企業が多いです。
大手企業はベンチャー企業への出資などを通じて、提携関係を築くことで、自社でリスクをとること無く、優れたサービスや技術を活用することが可能になります。この「時間を買える」ということは大手企業にとって大きなメリットといえます。
また、資金調達を終えたベンチャー企業においては、ある程度金銭的余裕が生まれるため、優秀な人材を集めることが可能になります。そのため、ベンチャーであっても、技術力が高い企業も多くあり、その技術力を評価した大手との提携も多くあります。
大手旅行会社や鉄道会社も参加
弊社が独自に、過去1年程度の提携情報を収集したデータがこちらです。
大手ベンチャーキャピタルも多いですが、訪日外国人が利用する機会の多いサービスを運営している鉄道会社や旅行会社が、自社またはCVC(=コーポレート・ベンチャーキャピタル)を通じて投資をしている例も多いことがわかります。
■最近の提携情報(抜粋)
会社名 | サービス名 | サービス概要 | 出資社 or 提携先大手企業 | 提携状況 | 公表日 |
BitStar | BitStar | インフルエンサー・マーケティング | Fun Japan Communications | 業務提携 | 2018/05/07 |
ディーエルジービー | SmartRyde | 空港送迎事前予約サービス | ビジョン | 出資 | 2018/04/25 |
Cool Japan TV | – | インフルエンサー・マーケティング | アソビシステムズ | 業務提携 | 2018/04/13 |
ネットスターズ | – | 決済サービス/決済端末 | LINE Pay | 出資 | 2018/04/11 |
ネットスターズ | – | 決済サービス/決済端末 | 伊藤忠テクノソリューションズ NTTベトナム |
出資 | 2018/04/10 |
ミニマル・テクノロジーズ | WOVN.io | WEBサイト多言語化開発ツール | 福井銀行 | 業務提携 | 2018/04/10 |
TSUNAGU | tsunagu Japan | 訪日外国人向けメディア | USEN Media | 業務提携 | 2018/03/28 |
SQUEEZE | mister suite 他 | 宿泊事業者向け運用サポートサービス | ケネディクス | 出資 | 2018/03/28 |
tourcandy | 尋味 | 飲食店予約・決済サービス | CAC HD | 出資 | 2018/03/23 |
MATCHA | MATCHA | 訪日外国人向けメディア | THE GUILD バリュークリエイト 他 個人投資家 |
出資 | 2018/03/19 |
ジーテック | ミラノバ | 民泊許可・届出手続きサービス | ホームアウェイ | 業務提携 | 2018/03/19 |
DOA JAPAN | Japan Panoramic Tours | FIT向けバスツアー | 日本旅行 | 出資 | 2018/03/15 |
より詳細なデータ(出資金額含む)は下記リンクをクリック後に必要事項を記入頂きますと、閲覧可能となります。
業務提携のトレンド
提携のテーマとしては「シェアリング」、「無料」、「コト消費」がキーワードとして挙げられ、近年変化する訪日外国人のカスタマージャーニーに対応する形での提携が多いようです。
キーワード1「シェアリング」
シェアリングビジネスが活況となる昨今、空いたスペースや部屋のシェアリングが盛んになっています。
今年から「民泊新法」施行されることもあり、民泊関連のベンチャー企業と大手企業との提携が多くなっています。
特に民泊仲介サービス「Stay Japan」を展開する百戦錬磨と大手企業の提携が目立っています。
また、「荷物を預けたい人」と「預かるスペースが有る店舗」のマッチングサービスを展開するecboなどもJRなどの大手企業から資金を調達をしています。
提携例:百戦錬磨×JAL、百戦錬磨×住友林業、ecbo×JR西日本・JR東日本等
キーワード2「無料」
旅行先でもスマートフォンを活用したいというニーズに答える形で、SIMカードの無料配布や、スマホを無料でレンタルするベンチャー企業も増えており、それら分野に強みを持つベンチャー企業と提携する大手企業も増えています。最近ではWAmazingが約10億円の大型資金調達をしている他、Bridgeも大手企業との提携網を広げています。
提携例:Bridge×全日空商事
キーワード3「コト消費」
リピーター客が増えるに従って、東京・京都・大阪等のゴールデンルートだけでなく、地方まで足を運び、より日本らしい体験を求める訪日外国人が増えてきています。そのため、FIT向けのツアーを企画・運営するベンチャー企業や日本体験予約サイトを運営する企業と大手企業との連携も広がっています。
提携例:DOA Japan×日本旅行、ポケカル×東急電鉄、Beauty of Japan×東武鉄道
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<ナイトレイについて>
2011年1月創業。「ロケーションデータ解析で人々の生活を豊かに、社会をよりスマートに」というミッションのもと、ロケーションデータに特化した独自の解析エンジンの開発とインバウンド対策総合支援サービス「inbound insight(インバウンド インサイト)」を提供する等、データ解析の分野において独自のビッグデータ活用ノウハウを保有するベンチャー企業です。
訪日外国人(インバウンド)のデータ解析以外にも、商業施設の店舗開発やリスク検知、都市計画に関わる解析データ提供・分析サポート、地方自治体の観光イベントの効果分析の実績が多数あり、2017年にはトヨタ自動車と業務提携しコネクティッドカー・モビリティ事業での新サービスの開発を開始するなど、様々な領域において企業や自治体のデータ活用をサポートしております。
【ナイトレイ 会社概要】
社名:株式会社ナイトレイ
所在地:東京都渋谷区南平台町15-11 南平台野坂ビル4F
代表取締役:石川 豊
事業内容:ロケーションデータ解析及びコンサルティング業務
コーポレートサイト:http://nightley.jp/
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