今回は、隣国の韓国からの訪日外国人の特性を明らかにしていきます。
ちなみに、今回使用した統計データは観光庁の「訪日外国人消費動向調査」とJNTOの「訪日外客数」です。
弊社の統計データ分析ソリューションにも同様のデータは収録しており、ご覧になりたい項目のデータを簡単に集計でき、データのダウンロード、チャート作成などが可能です。是非ともお試しください。
訪日韓国人の特徴まとめ
各種統計データを参考に分析すると、訪日韓国人には下記のような特徴が見えてきます。
■ リピーター比率が高い
■ 個人手配の短期旅行で来る人が多い
■ 20代男女の訪問率が圧倒的に多い
訪日韓国人の基礎情報
訪日韓国人数
訪日韓国人の人数は過去数年、増加傾向にあります。韓国は地理的に近いこともあり、もともと訪日客数が多い国でした。それに加えて、LCC航空便の増便、内需刺激と景気拡大のための政策として、臨時公休日を積極的に指定し大型連休を制定していることが影響していると思われます。
出典:JNTO「訪日外客数」
月別訪日韓国人数
2016年から2018年までを見ると毎月、前年の値を上回っていることがわかります。月別では、夏休みの時期(7月ー8月)と年末年始の時期に大きく訪日客数が増えていることがわかり、大型連休を利用して日本で余暇を楽しんでいることがうかがえます。
出典:JNTO「訪日外客数」
訪問回数
2回目(23.1%)、3回目(13.1%)が全国籍平均より多いことがわかります。このことから、訪日韓国人の方はリピーターが多いようです。地理的に近いため、国内を旅行するような感覚で手軽に足を運ぶことができるためと考えられます。
出典:観光庁「訪日外国人消費動向調査」
注:観光レジャー目的のみであり、業務目的は含んでいない
年代・性別
世代別のグラフを見ると、20代の男性(19%)、女性(27%)の割合が全国籍平均に比べても圧倒的に高いことがわかります。この結果は、上でも述べたLCCの増便が影響しているのではないかと考えられます。他の世代と比べて圧倒的に多いため、この世代の男女をターゲットにすることが韓国人インバウンド対策として鍵になりそうです。
出典:観光庁「訪日外国人消費動向調査」
注:観光レジャー目的のみであり、業務目的は含んでいない
訪日韓国人の旅マエ動向
手配方法
個別手配が81%と他と比較して圧倒的に多いようです。全国籍平均と比べても明らかにこの比率が高いことがわかります。
訪日韓国人客増加の背景として、LCCの増便により、ツアーを使わずとも、旅行費用を抑えられることが可能になったためではないかと考えられます。また、ツアー使わず2-3日の短期間で行きたいスポットを訪問する人が多いと推測されます。
出典:観光庁「訪日外国人消費動向調査」
注:観光レジャー目的のみであり、業務目的は含んでいない
情報収集方法
個人のブログが圧倒的に比率が高く、次いでSNSも情報収集方法として上位にきています。多くの人が、主にインターネット上で発信されたブロガーの情報から旅行の計画をたてていることがわかります。
出典:観光庁「訪日外国人消費動向調査」
注:観光レジャー目的のみであり、業務目的は含んでいない
訪日韓国人の旅ナカ動向
入国地点
入国空港・海港として使われているのは関西国際空港、福岡空港、那覇空港と西日本に位置する空港に多いようです。地理的に近いことが要因であると思われます。
出典:観光庁「訪日外国人消費動向調査」
注:観光レジャー目的のみであり、業務目的は含んでいない
滞在日数
3~6日間で90%を越えている特徴があります。全国籍平均と比較すると短期間の旅行で日本に訪れる方が多いことがわかります。理由としては、地理的に近いので週末を利用して数日間だけ日本に来る旅行客が多いためではないでしょうか。
出典:観光庁「訪日外国人消費動向調査」
注:観光レジャー目的のみであり、業務目的は含んでいない
都道府県別訪問率
大阪府、福岡県と続いています。福岡県は全国籍平均と比較して非常に多くなっており、これは福岡が地理的に近く、航空便や船便が多く出ていることが要因と考えられます。一方で、東京都への訪問率が平均と比較して、非常に低いことは注目に値します。
出典:観光庁「訪日外国人消費動向調査」
注:観光レジャー目的のみであり、業務目的は含んでいない
日本でしたこと
日本食を食べる、ショッピング、繁華街の街歩きが上位を占めています。手軽に旅行を楽しむことを趣旨としている人が多いことが推測できます。
出典:観光庁「訪日外国人消費動向調査」
注:観光レジャー目的のみであり、業務目的は含んでいない
訪日韓国人の消費動向
消費金額
総消費額は増加傾向にあるが全国籍別と比較すると、どちらのグラフも平均と比較すると高くありません。3日以内の短期旅行が3分の1を占めているため、連動して支出額も少なくなっている可能性があります。
出典:観光庁「訪日外国人消費動向調査」
注:観光レジャー目的のみであり、業務目的は含んでいない
消費金額の内訳
消費金額推移を見ると、2014年をピークに消費金額の水準が下がっていることがわかります。年々日本へ来るコストが下がってきているため、日帰りや短期間旅行で来る人が増えています。韓国人の間で日本旅行は「手軽な旅行」というイメージが強くなってきているようです。特に、買物金額の下げが激しく、欲しかったものだけ購入して、短期間で帰る人が増えているの可能性があります。
出典:観光庁「訪日外国人消費動向調査」
注:観光レジャー目的のみであり、業務目的は含んでいない
買い物の品目別購入比率と購入単価
購入率をみてみると、「菓子類」(86%)、「その他食料品・飲料・酒・たばこ」(66%)、「医薬品・健康グッズ・トイレタリー」(54%)がトップ3となっています。訪日韓国人は短期旅行が多いため、帰国する際の荷物をなるべく減らすためサイズが小さくかさばらない商品を購入する傾向にある可能性があります。
出典:観光庁「訪日外国人消費動向調査」
注:観光レジャー目的のみであり、業務目的は含んでいない
買い物をした場所
コンビニエンスストア、空港の免税店、ドラッグストアがトップ3となっています。訪日韓国人は店を選んでそこに向かうより、道中で買い物を済ませることが多いと推測できます。
出典:観光庁「訪日外国人消費動向調査」
注:観光レジャー目的のみであり、業務目的は含んでいない
免税手続きの実施状況
免税物品購入額を見ると、全国籍平均が53,711円に対して、訪日韓国人は17,378円と約1/3程度であり免税金額が大きくないことから免税品の購入に対しての関心は比較的薄いようです。購入額と実施状況のグラフを見ると、「菓子類」、「医薬品・健康グッズ・トイレタリー」等あまり値段が高くない商品で免税手続きを行っていることがわかります。上の品目別購入率も参考にすると、韓国人は電気製品等の単価が高く荷物がかさばる商品よりも、単価が低く持ち運び安い日用品や食品などを日本旅行で購入することがわかります。そのような商品を免税対象にすることが集客において重要かもしれません。
出典:観光庁「訪日外国人消費動向調査」
注:観光レジャー目的だけではなく、業務目的も含む
弊社の統計データ分析ソリューションを活用いただくと、上記のように簡単にデータの集計やダウンロード、チャート作成などが可能ですのでぜひともお試しください。
inbound insight(インバウンドインサイト)とは
ロケーション解析データを軸にインバウンド対策を成功に導くことを目的としたインバウンド対策総合支援サービスです。観光ビッグデータ分析ソリューション、統計データ分析ソリューション、インバウンド対策コンシェルジュを組み合わせることで、現状把握から施策実行まで最適なインバウンド対策支援をご提案します。
——————————————
<本記事に関するお問い合わせ>
株式会社ナイトレイ
セールス&マーケティング
info@nightley.jp