山口県は本州南西部に位置し、中国地方に属する県です。
観光分野では秋吉台や周防大島などの自然、元乃隅神社、瑠璃光寺五重の塔、萩城下町、錦帯橋などの日本の歴史、街並みを感じることのできる観光資源を多数有する県です。近年では体験型コンテンツ・ツーリズムの推進にも力を入れています。
山口県観光スポーツ文化部スポーツ推進課
観光スポーツ文化部は、山口県への観光交流人口を一層拡大し、地域の活力を維持・創出していくため、観光・物産振興を軸としたスポーツ・文化・国際・交通など交流促進施策を一体的かつ強力に推進していくことを目的として活動しています。
今回の取り組みについて山口県観光スポーツ文化部 スポーツ推進課地域スポーツ班 森重信博様(4月から文化振興課)にお話を伺いました。
※中心が森重様
スポーツを通じて山口県へ訪日外国人を誘客
●スポーツ推進課がインバウンド対策を行う目的を教えてください
森重様：山口県へサイクリングツアーやスポーツを通じて訪日外国人をより一層誘客し、地域の活性化・雇用機会の増大・新たな需要を開拓。地域経済の発展を通して地域住民の生活の安定・向上に寄与することを目的としてインバウンド対策を行っています。
●どのような課題をお持ちでしたか？
森重様：山口県では、2016年よりサイクル県やまぐちProjectを発足。誰もが県内各地で四季を通じてサイクルスポーツを快適に楽しむことができる県を目指し活動を行っています。
発足から3年が経過し、様々な可能性を探る中で「ターゲット国籍」をはっきりとは決めきれていないという課題が浮かび上がりました。
サイクルツーリズムでは、現在来県している訪日外国人をターゲットとして当面の取り組みを進めてきました。より訪日外国人を誘客するためには「山口県に最適で、かつ、潜在的なターゲット」を把握し、戦略的にインバウンド対策を行う必要があると考えました。
※山口県でサイクリングツアーを楽しむ旅行者の様子
●ナイトレイにご相談をいただいた理由を教えてください
森重様：ナイトレイが特許を持つ、SNSを活用した観光動態調査・分析に興味をもったことがきっかけです。
実際に打ち合わせをすると、山口県が当初考えていた「本県に最適で、かつ、潜在的なターゲット」の選定、SNSデータだけでなく、オープンデータや観光ビッグデータを活用した「サイクリングルートの策定」「最適なプロモーション方法・時期」などの積極的な提案を受け、ぜひサイクル県やまぐちのパートナーとなっていただきたく、観光動態調査・分析を依頼することとしました。
事例一部紹介
山口県観光動態調査 全体像
分析例
データに基づくアクションの実行
●調査実施後はどのようなアクションにつながりましたか？
調査結果をもとにターゲット国籍の優先順位を意識したPR施策、地域の課題解決につながるコンテンツの整備を実行していくこととしており、その一部は既に着手しています。
具体的には、選定したターゲット国での観光雑誌、メディア掲載や商談会への集中アプローチ。ターゲット国籍を意識した市区町村周遊ポタリングマップの制作も進行中です。より快適にサイクリングツアーを楽しんで頂けるように導線を意識したレンタサイクル、サイクルエイドの整備も計画しています。
●その他の変化はありましたか？
データや数字をバックボーンとした潜在的なターゲット国の把握や施策の実施をすることができるようになりました。またターゲット国と同じ目線に立ったコンテンツの作成、訴求方法の選択を行う必要性も実感しました。今後は国籍間の比較や競合(ベンチマーク県)との成果比較などを、客観的なデータに基づき行っていきたいと考えています。
観光から地域経済の発展に
●最後にサイクル県やまぐちが目指す観光戦略を教えてください
サイクリングという特性上、大人数のツアーよりも少人数でもコンスタントに来県いただけたり、長期滞在をしていただける層をメインターゲットとして据え、観光戦略を推進していきたいと考えています。
そのために山口県の魅力を的確に伝え、快適に過ごしていただける環境を整備していきます。
また、観光を通じて山口県に住む人々の営みや生活文化、地域経済を発展させていきたいと考えています。
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