今回は、昨今、急激な勢いで増えているタイ人に焦点を当てて、統計情報から見て取れる彼らの特徴をあぶり出していきます。
ちなみに、今回使用した統計データは観光庁の「訪日外国人消費動向調査」とJNTOの「訪日外客数」です。
弊社の統計データ分析ソリューションにも同様のデータは収録しており、ご覧になりたい項目のデータを簡単に集計でき、データのダウンロード、チャート作成などが可能です。是非ともお試しください。
訪日タイ人の特徴まとめ
各種統計データを参考に分析すると、訪日タイ人には下記のような特徴が見えてきます。
■ 4月の訪問者数が多い
■ リピーター比率が高い
■ 個別手配での旅行が多い
訪日タイ人の基礎情報
訪日タイ人数
訪日タイ人の人数は、年々増え続けています。その反面、前年比は年々減り続けています。
出典:JNTO「訪日外客数」
月別訪日タイ人数
月別と年別のグラフがほぼ重なり合っていることから、毎年タイ人は同様な時期に訪日していることがわかります。特に、月別にグラフを見ていくと、訪日タイ人は夏~秋が少なく、冬~春が多いことがわかります。4月はタイの長期休暇があるため、毎年訪問人数が1年で一番多いことがわかります。
出典:JNTO「訪日外客数」
訪問回数
訪問回数は、2回目以上が全国籍の訪問回数比率を上回っています。ビザの要件緩和や、アクセスの良さ、経済成長が影響していることが考えられます。
出典:観光庁「訪日外国人消費動向調査」
注:観光レジャー目的のみであり、業務目的は含んでいない
年代・性別
男女比率を見てみると、男性37%、女性63%と女性が6割を越えています。年代別にみると、30代~50代の女性が全国籍平均を上回っています。
出典:観光庁「訪日外国人消費動向調査」
注:観光レジャー目的のみであり、業務目的は含んでいない
訪日タイ人の旅マエ動向
手配方法
手配方法は、個別手配(69%)が7割近く占め、全国籍平均を上回っています。タイ人は2回目以降の訪問が多いため、初めての訪日は団体ツアーを利用して訪れるが、2回目以降は個別手配で興味のある場所を訪れていることが推察されます。
出典:観光庁「訪日外国人消費動向調査」
注:観光レジャー目的のみであり、業務目的は含んでいない
情報収集方法
情報収集方法は、日本政府観光局ホームぺージ(26%)が一番多く、自国の親族・知人、旅行会社のホームページ、宿泊予約サイトと続いています。上位にはインターネットを利用した情報収集方法が目立ち、すべて全国籍平均を上回っています。他の国と比べて個人のブログによる情報収集が少ないことも特徴的です。
出典:観光庁「訪日外国人消費動向調査」
注:観光レジャー目的のみであり、業務目的は含んでいない
訪日タイ人の旅ナカ動向
入国地点
入国地点は、成田空港(44%)が1位で、全国籍平均を上回っています。反対に那覇空港以降の入国港は5%を下回っています。このことから、訪日タイ人は2回目以降の旅行でも場所を変えず、気に入った場所を何度も訪れていることが推察できます。
出典:観光庁「訪日外国人消費動向調査」
注:観光レジャー目的のみであり、業務目的は含んでいない
滞在日数
1~3日間以内の旅行が全国籍平均よりかなり下回っていることが特徴的です。このことから、訪日タイ人は、短期間の休日を利用して遊びに来るというよりも、長期間の休日を利用してじっくり旅行していることが推察できます。
出典:観光庁「訪日外国人消費動向調査」
注:観光レジャー目的のみであり、業務目的は含んでいない
都道府県別訪問率
東京都、千葉県は1位、2位であり、全国籍平均を上回っています。大阪府、京都府は3位、4位と続いていますが、全国籍平均を下回っています。このことから、訪日タイ人は関西よりも関東に訪れていることがわかります。さらにタイ人は食べ物の中で果物を好む傾向があるため、千葉県や北海道、山梨県の訪問率が高いこともわかります。
出典:観光庁「訪日外国人消費動向調査」
注:観光レジャー目的のみであり、業務目的は含んでいない
日本でしたこと
日本食を食べる(98%)、ショッピング(91.1%)、繁華街(76.8%)の街歩きがトップ3で全国籍平均と比べても大きな差はないようです。
出典:観光庁「訪日外国人消費動向調査」
注:観光レジャー目的のみであり、業務目的は含んでいない
訪日タイ人の消費動向
消費金額
総消費金額は、為替の影響があるため一時的に減少したものの、毎年上昇していることがわかります。一人当たりの消費額は2015年を境に減少しています。2015年までは、訪日中国人のような爆買いが訪日タイ人にも目立ちましたが、それが下火になっていることが推察されます。
出典:観光庁「訪日外国人消費動向調査」
注:観光レジャー目的のみであり、業務目的は含んでいない
消費金額の内訳
2016年から2015年にかけて買物代が約8000円、宿泊費が約7000円減少しているということで、一人当たりの消費額が減少したのは買物代と宿泊費が起因していることが推察できます。
出典:観光庁「訪日外国人消費動向調査」
注:観光レジャー目的のみであり、業務目的は含んでいない
買い物の品目別購入比率と購入単価
購入率をみてみると、菓子類(68.7%)、化粧品・香水(61.9%)、その他食料品・飲料・酒・たばこ(57.1%)とあまり単価が高くないものを購入する傾向があるようです。購入単価をみてみると、単価が高い項目は全国籍平均を下回り、低い項目になるにつれ差が縮まる傾向にあります。
出典:観光庁「訪日外国人消費動向調査」
注:観光レジャー目的のみであり、業務目的は含んでいない
買い物をした場所
買い物した場所はドラッグストア(69.6%)が1位で、全国籍平均も上回っています。次にコンビニエンスストア(59.7%)、スーパーマーケット(54.8%)と続いています。このことからタイ人は、化粧品やお菓子類等の単価が低いものを購入する傾向があることが推察されます。
出典:観光庁「訪日外国人消費動向調査」
注:観光レジャー目的のみであり、業務目的は含んでいない
免税手続きの実施状況
免税実施率、免税物品購入額ともに全国籍平均を下回っています。免税手続き実施状況をみても平均を下回っているものが多く、免税にはあまり関心がないことが推察されます。
出典:観光庁「訪日外国人消費動向調査」
注:観光レジャー目的だけではなく、業務目的も含む
弊社の統計データ分析ソリューションを活用いただくと、上記のように簡単にデータの集計やダウンロード、チャート作成などが可能ですのでぜひともお試しください。
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