昨今、訪日外国人客数が増加が顕著ですが、その一因として、アジアを中心とする都市と日本の都市の間を就航するLCC(ロー・コスト・キャリア)の増便などが挙げられています。
LCC利用率は韓国・フィリピンで過半数を超える
2016年に行った観光庁の調査によると、訪日外国人のうち、25%がLCCを利用して訪日しています。特に韓国人に関しては61%、フィリピン人に関しては53%以上利用しています。これは2年前の調査ですので、LCCの便数が2年前より増えている現在、その比率は更に高まっていることが予想されます。
今回は、国土交通省が公表している、国際線の定期便スケジュールのデータを基に、「増えている」とよく聞く「LCC」や他の「国際線」の便数がどのエリアの空港に、どの国からの便が、どの程度増えているかを簡単に確認しましょう。
詳細なサマリーデータは記事の最後でダウンロード可能です。
アジア系航空会社を中心に増えるLCC
国土交通省の公表している「国際線就航状況」によると、2018年夏期の全国際線旅客便に占めるLCCの比率は27.1%となり、17年冬期と比較して、+110便/週となる見込みです。
特に韓国の航空会社のLCC便数が+43便/週、台湾の航空会社のLCC便数が+14便/週となっており、アジア系のLCC航空会社を中心に大きく増えています。
LCCだけでなく、国際線旅客便数全体も増加
LCCのみならず、国際線の旅客便の本数は2010年以降、増加を続けており、2018年夏期は過去最高の5,016便/週に達しています。
特に、成田空港、関西国際空港での増加が17年冬期比で+50便以上となっていますが、地方都市合計でも+61.5便と福岡を中心の便数が増えており、存在感を示しています。
国籍別動向
国籍別では韓国系の航空会社の便数が最多で、次に中国系と続きますが、2018年夏の計画では、東南アジア方面の便数の増加が目立ちます。
全日空のタイ向け航空便の増便、タイ・エアアジアXやタイ国際航空の増便などが寄与しています。
地方への就航便が増加
成田空港や羽田空港、関西空港の便数が圧倒的に多いのが現状ですが、地方への国際線の便数も増えており、成田空港、羽田空港、関西空港のシェアは微減傾向を示しています。特に韓国の都市と日本の地方都市の就航数は1年前と比べ、28便/週の増便となり、大きく伸ばしています。
また、タイガーエア台湾の台北=旭川空港や台北=小松空港への新規就航や、香港エクスプレス航空の香港=熊本への新規就航など、韓国以外からの就航便も増えています。
まとめ
国土交通省の国際線就航データから見えてくるポイントは以下です。
・全体的に国際線の便数は増加傾向を示している(5,000便/週超)
・特にLCC便の増加が著しく、国際線全体に占める比率が増加している(約27%)
・国籍別では東南アジアからの便数が増加している
・地方都市への航空便が増加している
inbound insightでは今後も有用な情報を発信してまいります。
記事で使用した国際線就航状況のデータ(2017年まで)はこちらから閲覧・ダウンロード可能です。ぜひ御覧ください。
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