今回は一度の訪日で7日間以上滞在する人の割合が9割を超えている、長期滞在が特徴的な訪日フランス人に焦点を当てて、統計情報から見て取れる彼らの特徴をあぶり出していきます。
ちなみに、今回使用した統計データは観光庁の「訪日外国人消費動向調査」とJNTOの「訪日外客数」です。
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訪日フランス人の特徴まとめ
各種統計データを参考に分析すると、訪日フランス人には以下のような特徴が見えてきます。
■月別で見てみると4月、7月、そして10月と年に3回の訪日者数のピークがある。
■初めて訪日する人の割合が全国籍平均に比べ、大きい。
■特に20代、30代においては全国籍平均に比べ、男性の割合が大きい。
■7日間以上の長期滞在で訪日している人が9割を超えている。
■「日本ならでは」な体験を求め、ショッピングにはお金を掛けていない。
訪日フランス人の基礎情報
訪日フランス人数
訪日フランス人数は年々増加しているものの、2016年から2017年の間にその増加率には大きな減少が見られます。
また、2017年の訪日フランス人数はアメリカ、イギリスについで3番目に多い欧米からの訪日人数となっています。
出典:JNTO「訪日外客数」
月別訪日フランス人数
月別の訪日フランス人数を見てみると、1年間の中でも4月、7月、そして10月の3回ピークを迎えることが分かります。
この4月、7月、10月というのはそれぞれフランスの学校がバカンス(長期休暇)に入る時期であり、バカンスの時期に合わせて訪日フランス人の人数が増えることが推察されます。
出典:JNTO「訪日外客数」
訪問回数
訪問回数に着目すると、訪日フランス人は全国籍平均に比べ、初めて日本を訪れる人が1.5倍も多いことが分かります。
一方で3回以上訪日している人の割合になると、全国籍平均では38.5%に対し訪日フランス人では16.0%と全国籍平均の半分以下の割合になっています。
出典:観光庁「訪日外国人消費動向調査」
注:観光レジャー目的のみであり、業務目的は含んでいない
年代・性別
男女比率を見てみると、全国籍平均に比べ男性の割合が多いことが読み取れます。
またイギリスやアメリカでも見られたように、特に20代30年代においては男性の割合が顕著に多くなっています。
・参考記事「滞在日数が長く、複数の都道府県を移動する!データから分かる訪日イギリス人の特徴」
・参考記事「買物には興味なし!?データから分かる訪日アメリカ人の特徴」
出典:観光庁「訪日外国人消費動向調査」
注:観光レジャー目的のみであり、業務目的は含んでいない
訪日フランス人の旅マエ動向
手配方法
個別手配で訪日を行う人が9割近くに達し、訪日フランス人がいかに個別手配で日本を訪れているのかが読み取れます。
出典:観光庁「訪日外国人消費動向調査」
注:観光レジャー目的のみであり、業務目的は含んでいない
情報収集方法
情報収集方法に注目すると、多くの項目で全国籍平均に比べ高い利用率を記録しており、訪日フランス人が多様な方法で情報収集を行なっている様子が分かります。
一方で、特にSNSや旅行者ホームページなどは全国籍平均に比べ、利用率が低いことが読み取れます。
出典:観光庁「訪日外国人消費動向調査」
注:観光レジャー目的のみであり、業務目的は含んでいない
訪日フランス人の旅ナカ動向
入国地点
訪日フランスの入国地点を見てみると、全国籍平均と比較しても成田国際空港また羽田空港といった首都圏の空港に大きな偏りがあることがグラフに表れています。
出典:観光庁「訪日外国人消費動向調査」
注:観光レジャー目的のみであり、業務目的は含んでいない
滞在日数
7日間以上滞在している人の割合が全国籍平均では3割ほどなのに対し、訪日フランス人では9割を超えています。
フランスでは有給休暇の取得が法律で義務化されているため、長期滞在をしやすい環境にあると推察されます。
出典:観光庁「訪日外国人消費動向調査」
注:観光レジャー目的のみであり、業務目的は含んでいない
都道府県別訪問率
多くの都道府県別訪問率で、全国籍平均を上回っていることから、一度の訪問で多くの都道府県を訪れる訪日フランス人の旅行パターンが読み取れます。
このような日本周遊的旅行パターンは滞在日数の長い訪日フランス人だからこそ、浮かび上がる特徴だと考えられます。
出典:観光庁「訪日外国人消費動向調査」
注:観光レジャー目的のみであり、業務目的は含んでいない
日本でしたこと
「日本の歴史・伝統文化体験」や「日本の日常生活体験」など、日本特有の文化に触れることのできる項目で特に高い割合を記録しています。
このような「日本ならでは」という体験を求める姿勢は、イギリスやアメリカでも見られたものであり、欧米圏からの訪日者の共通点と言えるかもしれません。
出典:観光庁「訪日外国人消費動向調査」
注:観光レジャー目的のみであり、業務目的は含んでいない
訪日フランス人の消費動向
消費金額
訪日フランス人による総消費額は年々増加しています。
また訪日フランス人による一人当たり消費額には年によって微増・微減はあるものの、それほど大きな変化は見られません。
このことから、訪日フランス人数が年々増加している事が、総消費額増加の要因と推察されます。
出典:観光庁「訪日外国人消費動向調査」
注:観光レジャー目的のみであり、業務目的は含んでいない
消費金額の内訳
「交通費」や「宿泊料金」にはお金をかけている一方で「買物代」の割合は全国籍平均の半分にも満たないことが読み取れます。
また、このような特徴は経年で変化が見られず、訪日フランス人がショッピングを重要視していないことが分かります。
出典:観光庁「訪日外国人消費動向調査」
注:観光レジャー目的のみであり、業務目的は含んでいない
買い物の品目別購入比率と購入単価
和服、書籍、またマンガ・アニメ関連商品など、「日本ならでは」を感じることができる品目に関しては購入比率が高くなっており、日本特有の文化を体験しようとする訪日フランス人の姿がここでも浮かび上がって来ます。
しかし一方で、購入単価を見てみると、多くの品目で全国籍平均に比べ単価を下回っており、ショッピングにお金をかけない訪日フランス人の様子が読み取れます。
出典:観光庁「訪日外国人消費動向調査」
注:観光レジャー目的のみであり、業務目的は含んでいない
買い物をした場所
全国籍平均に比べ「空港の免税店」「ドラッグストア」の利用率が低い事がわかります。
また「観光地のお土産店」の利用率は全国籍平均を大幅に上回っていることがグラフから読み取れます。
このことから、訪日フランス人は医薬品・ブランド品など自国でも買えるものにはそれほど興味を示さず、自国では体験できない「日本ならでは」の買い物に魅力を感じている事が推察されます。
出典:観光庁「訪日外国人消費動向調査」
注:観光レジャー目的のみであり、業務目的は含んでいない
免税手続きの実施状況
免税手続き実施率と免税物品購入額が共に全国籍平均の半分以下の数値となっています。
また品目別免税手続き実施状況に着目しても、多くの項目で全国籍平均を下回っており、これらのデータから訪日フランス人は免税が必要となるような物品をそれほど購入してないことが分かります。
出典:観光庁「訪日外国人消費動向調査」
注:観光レジャー目的だけではなく、業務目的も含む
次回日本でしたいこと
多くの項目で全国平均を上回っており、日本観光を終えても尚、日本に高い関心を持っている訪日フランス人の様子が読み取れます。
出典:観光庁「訪日外国人消費動向調査」
注:観光レジャー目的のみであり、業務目的は含んでいない
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