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消費総額全国1位!東京都に訪れる訪日外国人の特徴
2019.01.07

日本の首都である東京都は、多くの訪日外国人の入国港として利用される羽田空港があり、東京スカイツリーやお台場、上野動物園などの定番から明治神宮や浅草などの「日本ならでは」を感じることができるスポットなど、多数の人気観光地を有するエリアです。

本記事では、そんな東京都に訪れる訪日外国人の特徴について、オープンデータ、ビッグデータを用いた観光動態調査結果から考察していきます。

 

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はじめに

観光動態調査の全体像

インバウンド対策は、滞在・周遊による人の動き、消費動向を定量的に押さえ、定性的に旅行行動を把握し実施する事が大切です。旅行行動は大きく「旅マエ」「旅ナカ」「旅アト」の3つに分けられ、それぞれのフェーズに適したデータを分析し現状把握を行う事で、精度の高い施策と効果検証につなげる事ができます。

 

■旅マエの主なデータ
・情報収集手段
・旅行申し込み方法(個人or団体)
・訪日回数 …etc
■旅ナカの主なデータ
・滞在調査
・周遊調査
・消費調査
・旅行行動調査 …etc
■旅アトの主なデータ
・満足度(内容別)
・困りごと
・リピート意向
・地域の魅力な点 …etc

 

概要 

東京都に訪れる訪日外国人の特徴まとめ

●旅マエ

■全国平均と比較してやや早めにウェブサイトから予約をする

■個別に旅行を手配している

■ビジネス目的で利用する割合が高い

●旅ナカ

■夜間よりも昼間の滞在者数が多い

■滞在において中国、台湾、アメリカの三国籍が占める割合が比較的高い

■港区、新宿区、中央区といった多くの観光スポットがある地域の訪問者数が多い

■基本的に夜間よりも昼間の方が消費が盛んである

■消費総額は全国1位であり、他の都道府県と比較しても圧倒的である

 

 

※本記事では「旅マエ」「旅ナカ」に焦点を絞り分析を行なっています

 

使用データについて

モバイル空間統計とは、ドコモの携帯電話ネットワークの仕組みを使用して作成される人口統計情報。携帯電話ネットワークは電話やメールなどをいつでもどこでもご利用いただけるように、各基地局のエリア毎に所在する携帯電話を周期的に把握しているサービス。いつ・どんな人が・どこから・どこへを7,600万(訪日外国人:750万)サンプルから分析可能。

※当レポートでは、主要17ヶ国(大韓民国、中華人民共和国、台湾、香港、ベトナム、タイ、シンガポール、マレーシア、フィリピン、インド、英国、フランス、ドイツ、ロシア、アメリカ合衆国、カナダ、オーストラリア)の訪日外国人の滞在データを使用

都道府県単位で、訪日外国人(地域別・国籍別)の部門別カード消費額や取引件数、取引単価をマップやグラフに表示して比較したり、消費額の推移をグラフに表示することで、自地域における訪日外国人の消費額や消費単価を把握可能。

訪日外国人旅行者の消費動向を明らかにし、外国人観光客誘致に関する施策の企画立案、評価等のための基礎資料を得ることを目的とした観光庁が実施している調査です。 本調査は、目的に応じて以下の3つの調査を四半期毎に実施しています。 A全国調査:日本全体での訪日外国人の客層や旅行内容、消費実態を明らかにする。 B1地域調査:訪問地(都道府県)毎に、訪日外国人の客層や旅行内容、消費実態を明らかにする。 B2クルーズ調査:船舶観光上陸許可を得た訪日外国人の客層や旅行内容、消費実態を明らかにする。

Twitterや一部インスタグラムのデータを元にナイトレイが国籍判定や位置情報解析を行ったデータ(2016年9月20日~2017年8月31日のデータを集計)。SNS解析データを基にして、訪日外国人のクチコミ、周遊動向、人気施設等の把握が可能。

 

東京都の訪日外国人旅マエ動向

旅行手配の時期

全国平均と比較して3か月以上前に予約している人が多いことが伺える。一方で1~2か月前は全国平均よりも低い値を示してる。

観光庁「訪日外国人消費動向調査」2017年

 

旅行申込方法

申し込み方法について全国平均割合と比較すると、ほとんど違いはなくウェブサイトから申し込んだ人が若干多い程度である。

 

 

 

 

旅行手配方法

個別手配が全国平均よりも高い割合を占めていることが伺える。その代わりに団体ツアーの占める割合が少し下がっている。

 

出典:観光庁「訪日外国人消費動向調査」2017年

 

旅行目的

全国平均と比較して、観光・レジャー目的の人は少ないことが伺える。一方で、企業ミーティングやその他ビジネスの割合が高いことがわかる。

 

出典:観光庁「訪日外国人消費動向調査」2017年

 

市区町村ランキングレポート

 

東京都の訪日外国人旅ナカ動向

東京都の滞在状況

●年別滞在者数推移

夜間の滞在者数よりも昼間の滞在者数が多いことがわかる。

出典:RESAS「モバイル空間統計」※2015年1月から2017年11月までのデータを集計

 

●月別滞在者数推移

4月にやや高い値を示すものの年間を通して大きな違いは見られない。また、年々、訪問者数が増えていることも伺える。

 

出典:RESAS「モバイル空間統計」※2015年1月から2017年11月までのデータを集計

●訪日回数

1回目の割合と20回以上の割合が全国平均よりも上回っている。

出典:観光庁「訪日外国人消費動向調査」2017年

●国籍別滞在者割合

中国、台湾、アメリカの3か国で昼夜ともに滞在者数の約50%を占めている。また昼夜で滞在する国籍の割合に中国が1.2%下がった程度であり、ほとんど違いは見られない。

 

■国籍別の特徴は以下の記事でまとめています

中国「インバウンド担当者必見!データから分かる訪日中国人の特徴

台湾「リピート率が高い!データから分かる訪日台湾人の特徴

アメリカ「買物には興味なし!?データから分かる訪日アメリカ人の特徴

 

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出典:RESAS「モバイル空間統計」※2016年12月から2017年11月までのデータを集計

 

東京都で訪日外国人の滞在者数が多い市区町村トップ3

 

●1位:港区

東京タワーや六本木ヒルズ、東京ミッドタウンなどの多くの人気観光スポットが所在する港区が1位となっている。

また、東京都全体と比較して昼夜の滞在者や季節の違いによる大きな違いは大きく見られない。

出典:RESAS「モバイル空間統計」※2016年12月から2017年11月までのデータを集計

●2位:新宿区

新宿御苑や明治神宮外苑が位置する新宿区が2位に位置している。

また、東京都全体と比較して昼夜の滞在者や季節の違いによる大きな違いは大きく見られない。

出典:RESAS「モバイル空間統計」※2016年12月から2017年11月までのデータを集計

●3位:中央区

歌舞伎座や銀座、築地、新橋駅などの多くの外国人に人気の観光スポットが所在する中央区が3位に位置している。

出典:RESAS「モバイル空間統計」※2016年12月から2017年11月までのデータを集計

●東京都の市区町村別滞在者数ランキング

4位に東京駅が所在する千代田区や、5位に渋谷区といった外国人人気が高い区が位置している。

また、表で見る事で新宿区と中央区の滞在者数に大きな違いがある事が伺える。

 

出典:RESAS「モバイル空間統計」※2016年12月から2017年11月までのデータを集計

●東京都の人気施設ランキング

ナイトレイが独自に解析するSNSデータを元に作成した⼈気施設ランキングです。

「inbound insight SNS解析プラン」では人気施設ランキングだけでなく、訪日外国人の訪問スポット、クチコミ、周遊ルートを可視化し、訪日外国人の動向を分析することができます。

 

順位 施設名 市区町村
1位 明治神宮 渋谷区
2位 東京駅 千代田区
3位 原宿駅 渋谷区
4位 東京タワー 港区
5位 東京国際空港/羽田空港 大田区
6位 秋葉原駅 千代田区
7位 羽田空港 国際線ターミナル 大田区
8位 東京スカイツリー 墨田区
9位 東十条駅 北区
10位 新橋駅 中央区

出典:inbound insight「SNS解析プラン」 集計対象期間:2018年11月03日 ~ 2018年12月02日

東京都の消費状況

●東京都の総消費額、都道府県ランキング

東京都の消費は全国と比較で1位であり、他の都道府県とは桁違いの消費総額を示している。

一方で前年比は年々伸びが穏やかになってきている。

 

出典:RESAS「ビザ・ワールドワイド・ジャパン株式会社のカードデータを再編加工」※ランキングは2016年10月から2017年9月までのデータを集計

購入店舗

コンビニエンスストアや百貨店、空港の免税店が高い割合を示しているが、いずれも全国平均を下回っており、多くの店舗が全国平均を下回っている。

一方でファッション専門店や観光地の土産店など、全国平均を上回っている項目も見られる。

出典:観光庁「訪日外国人消費動向調査」2017年

利用金融機関

圧倒的な「ATM」項目の高さが特徴的である。また、空港の両替所も全国平均を上回っている。

出典:観光庁「訪日外国人消費動向調査」2017年

支払い・決済方法

現金とクレジットカードが高い割合を示している。

また、クレジットカードについては全国平均を上回る値を示している。

出典:観光庁「訪日外国人消費動向調査」2017年

世帯年収

全国平均とほとんど変わらないものの「1000万円以上2000万円未満」のみ全国平均をやや上回っている。

出典:観光庁「訪日外国人消費動向調査」2017年

 

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